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鳩山内閣の「返済猶予」政策について考える

どうにも本文が長くなるうp主です。∋・ー・∈

さて、最近ホットなのが亀井静香金融・郵政担当相、藤井裕久財務相のコンビの発言をきっかけとした日経平均の下落傾向ですね。
日経平均反落、海外勢が日本株売りを継続
同トレーダーは、全般的に海外勢が日本株売り/外国株買いの動きを加速させているとの見方を示したうえで、「日本の閣僚によるコメントのリスクが世界に広がっているのではないか」と指摘する。


今回はその二人のうち、亀井大臣による「モラトリアム」騒動について、ちょっと考えてみたいと思います。
ちなみに、亀井大臣によれば、「モラトリアム法案」ではなく「中小企業に対する貸し渋り・貸しはがし防止法(仮称)」らしいです。

亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要 - 金融庁
次に、「中小企業に対する貸し渋り・貸しはがし防止法(仮称)を成立させ」、あくまで(仮称)です。名前をつけているわけではありません。モラトリアムとつけているわけでもないし、私は法律の名称を今まで言ったことはありません。「貸付け債務の返済期限の延長、貸付けの条件の変更を可能とする。個人の住宅ローンに関しても、返済期限の延長、貸付け条件の変更を可能とする」。
で、ここに言われている「中小企業に対する貸し渋り・貸しはがし防止法」については、同様の名称の法案を民主党が過去に提出しています。以下に公開されているものです。

中小企業に対する貸し渋り・貸しはがし防止法案 - 民主党 (PDFファイル)
第三条
金融機関は、中小規模の事業者に対する信用の供与について、中小規模の事業者の経営に対する今次の金融危機の影響の程度、中小規模の事業者の経営の状況、中小規模の事業者の特性等を踏まえ、できる限り柔軟に対応するものとする。

第四条
金融機関は、当該金融機関から事業資金の貸付けを受けている中小規模の事業者であって今次の金融危機に伴う取引先の倒産による資金繰りの悪化等の事由により当該貸付けに係る債務の返済に支障を生じていると認められるものから、次に掲げる内容の求めがあった場合には、できる限りその求めに応じるものとする。
一 当該貸付けに係る債務の返済期限の延長その他の貸付けの条件の変更を行うこと。
二 当該金融機関が当該事業者の株式または持分を取得することにより、当該貸付けに係る債務を消滅させること。

第五条
金融機関は、当該金融機関から住宅の建設、購入又は改良に必要な資金の貸付けを受けている者であって今次の金融危機に伴う勤務先の倒産、事業規模の縮小等による失業等の事由により当該貸付けに係る債務の返済に支障を生じていると認められるものから、当該貸付けに係る債務の返済期限の延長その他の貸付けの条件の変更を行うことの求めがあった場合には、できる限りその求めに応じるものとする。

第八条
政府は、第三条から第五条までの規定による信用の供与等の実施により金融機関の経営が不安定にならないようにするため、必要な財政上又は金融上の措置その他の措置を講じなければならない。
上記の亀井大臣の発言は、こちらの法案を念頭に置いたものと思われます。この「当該貸付けに係る債務の返済期限の延長その他の貸付けの条件の変更」が「モラトリアム」と呼ばれている返済猶予制度に該当する部分ですね。
ともかく、こうした条項が中小企業に対する貸し渋り・貸しはがし防止法(仮称)」に含まれるのか、それとも「中小企業元本返済猶予法」としてより具体的・強制的な形で提出されるのかはわかりませんが、こうした「返済猶予」政策について影響を考えてみましょう。

そもそも憲法違反の可能性が出てくる

中小企業に向けた貸付債権は、言うまでもなく銀行にとっての資産です。その処分の権利は銀行にあります。しかし、債権者の行使権利を一定期間停止する「返済猶予」を義務・強制化するような法案は、憲法29条が規定する財産権不可侵に抵触する恐れがあります。

日本国憲法 -houko.com
第29条 財産権は、これを侵してはならない。
2 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
例えば上記の「中小企業に対する貸し渋り・貸しはがし防止法(仮称)」に記載された「できる限りその求めに応じるものとする」という条文は半義務的と解釈できないこともありません。まあ、「できる限り」ということで「できるか否か」の判断は自主的に行われた、とする逃げ道なのでしょうが・・・。

「返済猶予」と「内需拡大」は相乗して金融機関の財務に負担をかける

金融機関が企業への貸し出しに用いている資金は、預金です。鳩山内閣は家計を刺激しての内需拡大をうたっていますが、「返済猶予」政策によって運用スケジュールを狂わせた一方で、新規投資の元手となっている預金を引き出しての消費を喚起する想定なわけですから、これは金融機関の経営に与える負荷が相乗的に大きくなります。
亀井大臣は銀行への資金支援も口にしていますが、利子分と倒産時の元本保証では、運用可能な資金の漸減に対処することはできません。

亀井金融相:返済猶予対策で金融機関への資金支援は全銀行 - bloomberg
亀井静香金融・郵政担当相は1日午後の閣議後会見で、返済猶予などを含む貸し渋り・貸しはがし対策について、検討している金融機関への資金支援は「全銀行を対象とする」考えを示した。猶予期間中の利子分を国が補給するほか、対象企業が倒産した際の元本保証などを柱とする考えだ。
ま、国債購入に回している「投資先のないマネー」が余っているのですから大手銀は大丈夫でしょうが、地銀等は体力的に心配です。

貸し出しリスクが高まる

上記のように、運用スケジュールを狂わせる性質を持った「返済猶予」政策が実施されることで、金融機関にとっては新規の貸し付けの際、スケジュール通りに資金が戻らないリスクが高くなってしまいます。それでも「できる限りその求めに応じ」て貸し付けるとなれば、リスク管理としては金利を高くするしかありません。たとえ相手の体力に見合わない高金利で無理に貸し付けても、万が一の倒産の際には、国が利子・元本を保証してくれるわけですから、そうした「猶予前提」の無茶な条件での貸し付けが横行する危険性があります。

返済の猶予が企業を再建するわけではない

「中小企業に対する貸し渋り・貸しはがし防止法(仮称)」にあるように、「今次の金融危機に伴う取引先の倒産による資金繰りの悪化等の事由」で返済を猶予したとしても、猶予そのものは企業の再建へつながりません。猶予期間の終了時点で返済可能な状況に回復していなければ、問題の先送りに他ならないのです。
1998年10月、小渕内閣によって実施された金融機関への貸し渋り対策としての特別融資「中小企業金融安定化特別保証制度」は一定の成果を上げながらも、一方で実質無審査による貸付をおこなった結果として、制度利用企業の倒産事案が多く、倒産予備軍を先送りした傾向が指摘されています。

特別保証利用後倒産の実態調査 - 帝国データバンク
2001年度の特別保証利用後倒産5084件発生、前年度比29%増 ~今年1月から急増、3か月で1698件発生~
2001年度の特別保証利用後の倒産は5084件発生し、前年度を1143件(29.0%増)上回り、負債総額は1兆5538億7100万円と前年度比 33.3%の増加。2001年度の倒産全体(2万52件)に占める割合は25.4%に達した。
こうした経験を踏まえてか、麻生内閣が実施した中小企業の資金繰り支援策「緊急保証制度」では信用保証協会による審査を前提とすることで、制度利用後の倒産事案数を抑えることに成功しています。

「緊急保証制度」導入後の倒産動向調査 - 帝国データバンク
「緊急保証」利用後倒産、施行7ヵ月で21件にとどまる  ~ 98年施行の「特別保証」利用後倒産の341件を大きく下回る ~
「緊急保証」利用後倒産は、施行7ヵ月目の2009年5月までで21件判明。単純比較はできないが、今回と同じく経済危機対策として98年に導入された「特別保証」利用後倒産の7ヵ月合計341件を大きく下回っている。「特別保証」では事実上無審査で保証が下りたため、保証承諾を受けた会社の中にはすでに破綻状態の企業が多数含まれていた可能性が高く、一方の「緊急保証」は信用保証協会の慎重な審査もあり、そもそもこうした破綻寸前の企業がほとんど含まれていなかったため、現時点で倒産多発には至っていないとみられる。
このように、甘い審査で資金の融通をするだけでは、企業の倒産を防ぐことはできないばかりか、救済不能な案件の元本保証のため、余計な支出を伴うことになるのです。

なぜ既存の枠組みを使わないのかなぁ

鳩山内閣には、こうした問題をはらんだ「返済猶予」政策が、なぜ従来の緊急保証制度等の支援策より優れているのか説明する責任があります。
どうにも、こうやって問題を洗い出していくと、鳩山内閣が信用保証協会を「天下り」問題で敵視しているため、「信用保証協会を通さないで中小企業支援をやる」という前提で考えられた策なのではないか、と思えてなりません。つまり、国のあり方にとってどうか、よりも「信用保証協会を取り潰す」という目的へつなげるための「返済猶予」なのではないかと思えるのです。

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