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【シリーズ:自爆する日本】事業仕分けに見る、戦略を欠いた政治

∋・ー・∈です。
さんざんTwitterでも騒がれた「事業仕分け」ですが、問題点がだんだんと明確になってきたので【自爆する日本】シリーズ第二弾として纏めてみました。

「事業仕分け」は戦略喪失の象徴

今回行われた「事業仕分け」が戦略的観点から見て如何に理屈の通らないものなのかは、GXロケットの例が端的に表しています。

「仕分け」前半最終日、GXロケット廃止要求 - YOMIURI ONLINE
独立行政法人・宇宙航空研究開発機構が官民共同で取り組んでいる中型ロケット「GXロケット」に使用する液化天然ガス(LNG)エンジンの研究開発費について、予算計上を見送り、開発続行の是非を再検討するよう求めた。GXロケット開発そのものについても廃止を求めた。
仕分け人はこの記事のように、LNGエンジン技術の研究開発費58億円を見送り、GXロケット本体の廃止を求めました。
しかし、GXロケットの開発は、H-IIA/B型ロケットがあれば行わないでいい、という性質のものではありません。
まず第一に、IHIの担当であったGXをただ単純に廃止することにより、日本のロケット産業がH-IIA/B型ロケットを生産する三菱重工1社の独占状態に陥ってしまうという問題があります。GXが単純に廃止されれば、液体燃料ロケット開発の人材は三菱に集中せざるを得ません。技術的な硬直や、ポジション不足による技術者の流出、さらには国内に競合が存在しないことで、将来的に費用見積もりの主導権問題も出てくるでしょう。
第二に、GXはH-IIA/Bと異なる推進系技術を採用している点を指摘します。一段目は海外製、二段目は世界初のLNGエンジンです。H-IIA/Bの液水液酸とは技術的な根幹が異なるため、H-IIA/Bロケットのプロジェクトに問題が生じた場合にも、中小型衛星の打ち上げ選択肢を確保できる可能性がありました。

プロジェクトとして問題が多く、コスト面での目標達成が困難なGXの企画を廃止することそのものについては政治の一つの選択として受け入れるべきですが、GXの企画に問題があったことをもって、GXという「H-IIA/Bとは異なる会社・技術による、中小型ロケット」の開発を必要とした理由がすべて消滅したわけではありません。GXに投入予定だったお金を「ムダが浮いた!」と言って子ども手当て等に使ってしまうのでは、そこを履き違えているという批判を免れ得ません。

例えて言うならば、通信教育教材を数ヶ月取って成果が上がらないからと言って、「ウチの子どもは勉強しなかった!この子は頭が悪いんだ!お金がもったいないからやめて私がヨガでも習おう!」という結論を出してしまうようなものです。この場合、通信教育で成果が芳しくないからと、家庭教師や学習塾などの他の選択肢を検討しないということは「子どもに高度な教育を受けさせる」という家庭の戦略的目標を放棄すること同義です。

「成果が出ないから止める」という判断と「何もしなくてよい」という判断を混同してはいけないのです。宇宙開発戦略本部による8月の「見解」では、GXプロジェクトそのものの見通しは否定していますが、同規模ロケットに対する需要の存在を否定しているわけではありません。

GX ロケットの今後の進め方について - 宇宙開発戦略本部
(2)需要の見通しについて
国内の衛星打上げ需要については、宇宙基本計画(平成21 年6 月2 日 宇宙開発戦略本部決定)を踏まえれば、非安全保障分野において、年に1 機程度の中小型衛星の需要が想定されるが、安全保障分野における需要については、次期中期防衛力整備計画の策定前の現段階において見通しを持つことは困難である。また、世界の衛星の商用ロケットによる打上げ需要については、COMSTAC(米国連邦航空局発表)などによれば、全世界の中小型衛星の需要として、10 機程度/年が見込まれており(別紙4 参照)、国内外の中小型衛星の潜在的な打上げ需要は存在するものと考えられる。

GXの単純廃止は「仕分け」作業という末端の事業可否の判断で、国家の宇宙戦略という大きな枠組みを破壊することになってしまいます。「浮いた」予算額を、「失敗作」であるGXで達成すべきだった戦略目標を達成するために使うのでないならば、まずは「主力と異なる技術・企業体による中小型ロケット開発」という戦略レベルについて要不要の議論をしなければならないはずであり、それは非専門家集団である「仕分け人」に任せるべき仕事からは明らかにかけ離れています。

私には、各個の事案に対する結論よりも、「戦略を揺るがす判断」が、「個別事業の意義を問う形」で行われる構造こそ「事業仕分け」の重大な問題点だと思えてなりません。

また、仕分け人はGXロケットに搭載されるLNGエンジンそのものの予算請求も見送りました。
行政刷新会議「事業仕分け」事業番号3-33 (独)宇宙航空研究開発機構①(GXロケット)

●「GXロケットの本格的着手を判断できる状況にない」ことから開発は中止すべき。「エンジンの研究」はロケット本体と別に開発する必要がない
●GXロケットの目途が立たない中では、開発する理由がない。エンジンを切り離しても需要がなければ開発後の事業化の目途が立たない限り予算計上は見送るべき。


とりまとめコメント
エンジン開発部分については、一旦仕切り直したうえで、エンジン開発を進めることの意味があるのかどうかを、しっかりと検討する必要がある。結論としては、予算計上の見送りとする。GXロケットとしては廃止、エンジン開発については、続けることの意味があるのかを抜本的に見直していただくこととする。
このLNGエンジン予算凍結についても、仕分け人の論理はデタラメと言わざるを得ません。LNGエンジン技術はGXロケットのためだけに生み出されたのではありません。むしろ将来性あるLNGエンジン実用化のステージとして、GXプロジェクトが推進されてきた面が大きいのです。低コスト商用ロケットとしてのポジションであるGXに、先端技術であるLNGを搭載しようとしたことが難航の原因という見解もあり、それには概ね同意できるのですが、それはLNGエンジンというプロダクトそのものが抱える問題ではありません。
LNGエンジンは数多の技術的メリットが明確でありながら世界のどの国も実用化できていない、先端技術です。そして、このLNGエンジンの技術において、現在日本はトップクラスのノウハウを持っており、世界でもっとも実用化に近いポジションにいます。

日本はLNGエンジン開発で世界のトップを走っている - nikkei BPnet
ーそこまで高く評価する理由はどこにあるのでしょうか。

ヤン 世界初というところです。
 メタンは、ロケットにとって有望な炭化水素系燃料です。液体にした場合の沸点はマイナス161.5℃、これは液体酸素のマイナス183℃よりもやや高く、液体水素のマイナス250℃よりも大分高いです。軌道上でも適当な断熱を行えば長期貯蔵が可能なので、メタンと液体酸素の組み合わせは再着火可能な上段ロケットや軌道間輸送機に使用できます。また、液体水素に比べると大推力が発生させやすいので、地上からロケットが上昇するためのブースターにも使えます。
 最近「宇宙への迅速なアクセス」、すなわち打ち上げ需要が発生したらすぐに対応して打ち上げを行うという考え方が出てきています。LNGは液体水素よりもずっと扱いやすいので、宇宙への迅速なアクセスにも向いています。
リークが少なく、衛星軌道上での長期間待機にも対応可能なLNGエンジン技術をモノにして実用経験を積めば、今後の宇宙開発で世界が必要とする先端技術を日本が手にし、宇宙産業の分野において多大な需要が期待できます。さらにHTV等の高く評価される技術と組み合わせることで、相乗効果が期待できる代物です。仕分け人はとりまとめコメントで「続けることの意味があるのかを抜本的
に見直し」を求めていますが、「まだ誰も成功していないが、世界が必要とする技術」の最先端にいるJAXAに対し、実用化の意味を抜本的に見直せ、とはとんだお笑いぐさです。こうしたオリジナルの技術を政府が戦略に基づいて育成してこそ、税金を投入したことへの「収益・リターン」が生まれるのです。

【自爆】直感に甘え「戦略」を意識しない日本有権者

仕分け人は、議論の中で幾度となく「高すぎる」という言葉を使いました。また、日本の有権者がTV等のインタビューに答えて政府の支出についてコメントするとき、あるいは2ch等の掲示板で政府の支出を批判するときに「高すぎる」という表現が頻発することにお気づきでしょうか?この表現が使われる傾向は、科学分野にとどまらないと思うのです。

しかし、そうした言葉が飛び出したとき、「高すぎる」という言葉の「すぎる」の比較対象が何なのか、といった質問を返すインタビュアーは、残念ながら見たことがありません。

すぎる、と言うからには、世界各国と比較でもしたのでしょうか?
自分の勤める会社ならば、幾らで実施できる、というような確固たる根拠があるのでしょうか?
おそらく、この「高すぎる」という漠然たる感覚。これが「国民目線」なのでしょう。「国民目線」で見て「高すぎる!」と直感したものを削るのが、仕分け人の役割なのでしょう。だからこそ蓮舫議員は、事業から「利益」を上げることにこだわるのでしょう。彼女にとって「高すぎる」かどうかの基準が、「そこから幾らの利益が上がるのか」だからです。そこからは、「戦略」という観点が完全に失われています。

政府の予算配分とは、国の生き残り戦略そのものを端的に表現するものでなければならないはずなのです。政府の予算は全体でこれだけです。そのうち、防衛に何パーセント、国民福祉は何パーセント、インフラ投資は何パーセントで科学技術に何パーセント使うことで、こんな繁栄を導きます、という説明を選挙に際して耳にしましたか?

この割合を議論する場は、その法的位置づけも曖昧な「事業仕分け」などではなく、国政選挙の場でなければならなかったのではないでしょうか。「政権交代」は、こうした配分の戦略を示し合って、その妥当性で争われるべきだったのではないでしょうか。

「財源は必ず見いだせます」の一点張りで成立した鳩山政権は今、「戦略」の具体的な議論を一切しないまま、「戦略」の存在を無視した予算削減劇を演じ、捻出した予算はその割り当てを破壊し、戦略的位置づけの不明確な「子ども手当て」実現のために使おうとしています。「聖域を作らない」という言葉は、一見すると革新的なように見えますが、そこに見いだせる現実は「政府として守るべき、確固たる戦略が存在しない」というだけなのです。

しかし、今、こうした政治が行われる責任は、現政権だけにあるとは思えません。
選挙に際し、有権者が戦略的な観点について興味を持たないから、こういうことになるのです。有権者が国家の戦略について、政治家にまともな議論を求めないから、こういうことになるのです。

どんな日本にしたい?という問いをシンプルな2択から選ぶことが、2大政党制最大のポイントのはずです。しかし、その2択がどちらもまばゆい、磨き上げられたものになるかどうかは、有権者の意識にかかっているということを意識しなければ、待つのは自爆です。


【欄外】戦略なき政権に、国民の声を届けよう

今回行われた「仕分け」について、文部科学省が国民からのコメントを求めています。

行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください
この事業仕分けを契機として、多くの国民の皆様の声を予算編成に生かしていく観点から、今回行政刷新会議の事業仕分けの対象となった事業について、広く国民の皆様からご意見を募集いたします。予算編成にいたる12月15日までに下記のアドレスまでメールにてお送りください
国民が日本政府に対して求めるべきなのは、数字を削った実績ではなく、適正な国家戦略です。皆様からも声を伝えてください。



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